銀行のおまとめローンとは|メリット・デメリットやおすすめのおまとめローンも紹介
銀行のおまとめローンとは、複数社の借り入れを一本化(おまとめ)するための商品です。
はじめて申し込む方だと、以下のように、わからない点や詳しく知りたい点も多いでしょう。
そこでこの記事では、銀行のおまとめローンについて詳しく解説します。
この記事で読むとわかることは以下の6つ。
記事内でおすすめの銀行おまとめローンも紹介します。
なお消費者金融から銀行カードローンへ、おまとめローンによる返済負担軽減を検討している方は、各銀行カードローンの特徴が一気にわかる『銀行カードローンのおすすめランキング!銀行カードローンの選び方も解説』をご覧ください。
銀行のおまとめローンとは
銀行のおまとめローンとは、複数社の借り入れを一本化できる返済専用の商品です。
たとえばあなたが以下の3社から借り入れしていると仮定します。
A社・B社・C社の借入総額60万円をD社のおまとめローンへ移し替えるのが一本化です。
借り入れを一本化した後は、D社で返済を続けます。
また銀行のおまとめローンは、すべて借入先の借り入れを一本化する必要はありません。
A社とB社のみおまとめローンで一本化し、C社については今まで同様、返済を続けてもいいのです。
次に銀行のおまとめローンで、複数社から借り入れを一本化するまでの流れを見てみましょう。
他社ローン | 借入残高 |
---|---|
A社 | 30万円 |
B社 | 20万円 |
C社 | 10万円 |
3社の借入総額 | 60万円 |
銀行のおまとめローンで複数社の借り入れを一本化するまでの流れ
銀行のおまとめローンには、各銀行の公式サイトからインターネット申込が可能です。
銀行のおまとめローンに申し込んでから、現在借り入れている他社の借り入れを一本化するまでの流れは以下のとおりです。
- 申込フォームの必要事項に入力
- 必要書類の提出
- 審査結果の確認
- 契約
- 複数社へ全額返済して一本化
※おまとめローンによって流れが異なる場合があります。
各項目を詳しく見てみましょう。
申込フォームの必要事項に入力
まずは銀行公式サイトへアクセスし、おまとめローン申込フォームの必要事項を入力します。
おまとめローン申込フォームの入力内容は、以下のような項目があります。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 自宅住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 住居種類(一戸建て・マンション・アパート・社宅・寮など)
- 居住年数
- 家族構成(配偶者や子どもの有無など)
- 勤務先会社名
- 勤務先電話番号
- 年収
- 他社借入件数
借入先が複数社あるなら、すべて記入 - 借入先の名称
- 借入先ごとの借入金額
※おまとめローンによって入力内容が異なる場合があります。
一つひとつの入力内容に間違いがないか、よく確認してから申し込みを完了させましょう。
必要書類の提出
申込完了後、銀行より必要書類の提出が求められます。
提出方法は申し込んだ銀行によって異なるので、しっかり確認しておきましょう。
おまとめローンの必要書類は以下のとおりです。
本人確認書類 |
|
---|---|
収入証明書 |
|
※おまとめローンによって必要書類が異なる場合があります。
審査結果の確認
おまとめローンに申し込んだ銀行より、審査結果の連絡がメール・電話などで入ったら、内容をよく確認しましょう。
銀行によっては仮審査と本審査を実施する場合があります。
仮審査や本審査で落ちてしまうと、おまとめローンの利用はできません。
契約
おまとめローンの審査に通過次第、契約へと進みます。
WEB契約であれば来店不要、契約手続きをインターネット上で済ませられます。
来店契約の場合は、銀行の店頭窓口での契約手続きが必要です。
銀行のおまとめローンによっては、契約までに返済口座の開設が必要になる場合があります。
口座開設なしの場合は、口座の指定が可能です。
複数社へ全額返済して一本化
契約完了後、おまとめローンからの融資額を元手にし、他社ローンへの全額返済をもって一本化の作業は完了です。
3社の借入総額が60万円とした場合、3社すべて一本化したいときはおまとめローンより60万円の融資を受けます。
一本化したい他社ローン借入総額の範囲内で融資を受けるのが、おまとめローンの基本です。
金融機関によって異なりますが、ローン全額返済の方法は以下をご覧ください。
- インターネット
- 自社ATM・提携ATM
- 銀行振込
- 店頭窓口など
他社ローンの解約や完済証明書が必要になる場合あり
おまとめローンへ一本化する際、他社ローンの解約と完済証明書が必要になる場合があります。
西日本シティ銀行 ローンコールデスクへおまとめローンについて問い合わせしたところ、以下の回答がありました。
審査結果によっては条件として他社ローンの解約や完済を証明する書類が必要です。
金融機関によって異なりますが、ローンの解約手続きも完済証明書の請求も電話で行える場合が多いです。
ローンを解約するには全額返済しないといけませんが、無利息残高があるとローンを解約できません。
無利息残高とは、利息も支払期限もない1,000円未満の残高のことです。
硬貨に対応していないATMより全額返済すると、無利息残高が発生する場合があります。
他社ローンを解約するときは、1円単位で返済できるインターネットや銀行振込などで全額返済しましょう。
ここまで銀行のおまとめローンについて解説しました。
銀行のおまとめローンの限度額や金利は、銀行によって異なります。
はじめて一本化する方だと、自身に合ったおまとめローンがわかりにくいでしょう。
そこで次に、銀行のおまとめローンを選ぶときのポイントを解説します。
銀行のおまとめローンを選ぶときのポイント
銀行のおまとめローンを選ぶときのポイントは以下の3つ。
- 現在の金利よりも低くなるか
- 毎月の返済金額が少なくなるのか
- 自身の借り入れがおまとめローンの対象か
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
現在の金利よりも低くなるか
複数社の借り入れを一本化するときは、現在の借入先よりも金利の低いおまとめローンを選ぶことが大切です。
金利の低いおまとめローンへ一本化すれば支払する利息が少なくなり、返済負担が軽減されるからです。
カードローンとおまとめローンの金利比較をご覧ください。
カードローン | 金利 |
---|---|
アコム | 年3.0%〜18.0% |
プロミス | 年4.5%〜17.8% |
アイフル | 年3.0%〜18.0% |
SMBCモビット | 年3.0%〜18.0% |
おまとめローン | 金利 |
東京スター銀行おまとめローン (スターワン乗り換えローン) |
年9.8%〜14.6% |
西日本シティ銀行NCBおまとめローン (無担保型) |
年4.5%〜15.0% |
みちのく銀行おまとめローン 「あわせーる」 |
年4.5%〜14.5% |
アコムやアイフルなど消費者金融から最大金利で借りている方は、銀行のおまとめローンへ一本化すると、金利が引き下がり、返済の負担が軽減されます。
しかし最大金利が同水準となる三井住友銀行カードローンや、みずほ銀行など銀行カードローンから借りている方は、おまとめローンへ一本化しても返済負担が変わらない場合もあります。
今借り入れしているカードローンから、一本化したときに金利が下がるのか確認してから申し込んでください。
毎月の返済金額が少なくなるのか
他社ローンの返済金額が多くて困っている方が一本化するときは、毎月の返済金額が少なくなるおまとめローンを選ぶことが大切です。
おまとめローンによっては、以前より毎月の返済金額が増える、または変わらない可能性があるからです。
消費者金融公式サイトの返済シミュレーションより、毎月の返済金額を試算しました。
返済期間1年の条件で返済シミュレーションした結果は以下のとおりです。
商品 | 借入額 | 金利 | 返済シミュレーションの結果 |
---|---|---|---|
アコム | 10万円 | 年18.0% | 毎月の返済額:9,167円 |
アイフル | 10万円 | 年18.0% | 毎月の返済額:1万円 |
SMBCモビット | 10万円 | 年18.0% | 毎月の返済額:9,167円 |
合計 | 借入総額:30万円 | 年18.0% | 毎月の返済額:2万8,334円 |
上記3社の借入総額30万円を返済期間1年の条件でおまとめローンへ一本化した場合のシミュレーション結果は以下をご覧ください。
商品 | 借入額 | 金利 | 返済シミュレーションの結果 |
---|---|---|---|
西日本シティ銀行 NCB おまとめローン (無担保) |
30万円 | 年15.0% | 毎月の返済額:7,078円 |
おまとめローンへ一本化しても毎月の返済金額は1,000円ほどしか軽減されないシミュレーション結果です。
毎月2万7,000円の返済だと苦しいときは、おまとめローンの返済期間を長くするとよいでしょう。
返済期間2年の条件で再シミュレーションした結果は以下のとおりです。
商品 | 借入額 | 金利 | 返済シミュレーションの結果 |
---|---|---|---|
西日本シティ銀行 NCB おまとめローン (無担保) |
30万円 | 年15.0% | 毎月の返済額:1万4,546円 |
※ 返済シミュレーションの結果と実際の返済金額とは異なる場合があります。
おまとめローンへの一本化により毎月の返済金額が1万3,000円ほど軽減されました。
自身の借り入れがおまとめローンの対象か
複数社から借り入れを一本化するときは、自身の借り入れが対象となるおまとめローンを選ぶことが大切です。
なぜなら使いみちを限定するおまとめローンがあるからです。
おまとめローンへ申し込みするときは、現在の借入先すべてを一本化できるかどうか使いみちを確認しないといけません。
たとえばアコムの借換え専用ローンでは、使いみちが貸金業者(消費者金融・信販・クレジットカード会社など)債務の借換えとなっており、銀行カードローンは対象外です。
ここまでおまとめローンを選ぶときのポイントを解説しました。
はじめておまとめローンへ一本化する方だと、銀行の選び方に迷う場合があるでしょう。
そこでおすすめのおまとめローンを紹介します。
おすすめ!銀行のおまとめローン3選
今回おすすめするのは、以下の銀行おまとめローンです。
商品 | 融資額 | 金利 | 振込代行 | 全国対応 |
---|---|---|---|---|
東京スター銀行 おまとめローン |
最高1,000万円 | 年9.8%〜年14.6% | ||
西日本シティ銀行 NCB おまとめローン (無担保型) |
最高500万円 | 年4.5%〜年15.0% | ||
みちのく銀行おまとめローン 「あわせーる」 |
最高500万円 | 年4.5%〜年14.5% |
それぞれのおまとめローンについて、解説します。
東京スター銀行おまとめローン(スターワン乗り換えローン)
東京スター銀行おまとめローン(スターワン乗り換えローン)は最高1,000万円までの融資が受けられる商品です。
融資額 | 最高1,000万円※1 |
---|---|
金利 | 年9.8%・12.5%・14.6%(固定金利・保証料込※2 |
使いみち | 金融機関のローン
金融機関のローン
|
返済方法 | 元利均等月賦返済 |
返済期間 | 10年 |
担保・保証人 | 不要 |
振込代行 | |
繰り上げ返済手数料 | 無料 |
利用条件 |
|
保証会社 | 株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンスまたはアイフル株式会社 |
対応地域 | 全国 |
※1 申込時の対象ローン残高の範囲内で融資
※2 審査によって金利を設定
- WEB完結で申し込みできる
- 他社ローンへの振込を代行
- 繰り上げ返済手数料が無料
東京スター銀行おまとめローンでは申し込みから契約まで来店不要のWEB完結に対応しています。
WEB完結なら、申込書に記入して郵送や、契約時に銀行の店舗へ来店して手続きするといった手間がかかりません。
他社ローンへの振込を手数料無料で代行しており、一本化作業の手間も費用もかからないおまとめローンです。
また東京スター銀行おまとめローンでは手数料無料で繰り上げ返済できます。
一本化した後、早めに完済したいときは繰り上げ返済するとよいでしょう。
西日本シティ銀行NCB おまとめローン(無担保型)
西日本シティ銀行NCB おまとめローン(無担保型)は最高500万円までの融資が受けられる商品です。
融資額 | 最高500万円※1 |
---|---|
金利 | 年4.5〜15.0%(固定金利・保証料込) |
使いみち | 現在利用中のローンなどの返済資金(個人間の借り入れは対象外) |
返済方法 | 元利均等毎月返済(6カ月ごとの増額返済可) |
返済期間 | 6ヶ月以上15年以内(1ヶ月単位) |
担保・保証人 | 原則不要(場合によっては連帯保証人が必要) |
振込代行 | |
繰り上げ返済手数料 | 無料 |
利用条件 |
|
保証会社 | 九州カード株式会社、九州総合信用株式会社、株式会社オリエントコーポレーション |
対応地域 | 取扱店舗の近くに住んでいる方※3 |
※1 パート・アルバイトや配偶者に収入のある専業主婦(主夫)の方は50万円までの申し込みに限る
※2 個人事業者の方は税金の滞納や延滞がないこと
※3 東京都内、大阪府内の店舗では取扱いなし
- クレジットカードの利用分も対象
- 家族のローンも対象
- 最長15年の返済計画が立てられる
西日本シティ銀行NCB おまとめローンでは消費者金融もクレジットカードの利用分も一本化できます。
自身はもちろんのこと、配偶者・親・子名義であれば家族のローンも一本化の対象です。
家庭での他社ローンを一本化し、返済を楽にしたい方にもおすすめします。
また西日本シティ銀行NCB おまとめローンでは最長15年の返済計画が立てられます。
余裕を持った返済計画を立てたいときにも便利なおまとめローンです。
みちのく銀行おまとめローン「あわせ~る」
みちのく銀行おまとめローン「あわせ~る」は最高500万円までの融資が受けられる商品です。
融資額 | 最高500万円※1 |
---|---|
金利 | 年4.5〜14.5%(固定金利・保証料込) |
使いみち | みちのく銀行または他金融機関(クレジットカード会社などを含む)の返済資金※2 |
返済方法 | 元利均等返済(融資額50%以内でのボーナス返済可) |
返済期間 | 6ヶ月以上10年以内(1ヶ月単位)※3 |
担保・保証人 | 原則不要 |
振込代行 | |
繰り上げ返済手数料 | 無料 |
利用条件 |
|
保証会社 | アイフル株式会社 |
対応地域 |
※1 所定の基準により融資が減額される場合あり
※2自由資金でも利用可/ただし親族名義の返済資金や事業性資金は除く
※3 所定の基準により返済期間が短縮される場合あり
- パート・アルバイトの方も対象
- クレジットカード会社も一本化の対象
- 固定金利だから借入時の金利が完済まで変わらない
安定した収入があれば正社員の方はもちろんのこと、パート・アルバイトの方でもみちのく銀行おまとめローン「あわせ~る」へ申し込めます。
幅広い雇用形態の方で申し込みできるおまとめローンです。
使いみちは金融機関などの返済資金となり、クレジットカード会社も一本化できます。
ただし親族名義の返済資金や事業性資金は一本化の対象外です。
またみちのく銀行のおまとめローン「あわせ〜る」では年4.5%〜14.5%の固定金利で融資が受けられます。
固定金利では借入時の金利が完済まで変わらないため、返済計画を立てやすいですよ。
以上、おすすめの銀行のおまとめローンを紹介しました。
次におまとめローンを利用するメリットを紹介します。
銀行のおまとめローンを利用するメリット
銀行のおまとめローンを利用するメリットは以下の2つ。
- 金利が引き下がり返済負担が軽減される
- 返済の管理が楽になる
2つのメリットについて詳しく解説します。
金利が引き下がり返済負担が軽減される
おまとめローンの利用により、金利が引き下がり返済負担が軽減される場合があります。
複数社のローンを一本化すると、利息制限法による上限金利が自動的に引き下がる場合があるからです。
以下のように貸金業者の上限金利は利息制限法によって定められています。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
たとえばあなたが以下の3社より借りていると仮定します。
借入先 | 借入残高 | 金利 |
---|---|---|
A社 | 30万円 | 年18.0% |
B社 | 40万円 | 年18.0% |
C社 | 40万円 | 年18.0% |
借入総額 | 110万円 | 平均金利:年18.0% |
上記の3社すべてD社のおまとめローンへ一本化すると借入額110万円となり、利息制限法により上限金利が年18.0%から15.0%へと引き下がります。
貸金業者でも銀行でも利息制限法を超える金利は設定していません。
借入総額110万円を1年で返済したときの利息は以下のとおりです。
3社で返済した場合 | 利息:100,845円※ |
---|---|
おまとめローンで返済した場合 | 利息:99,284円※ |
返済負担の軽減額 | 1,561円 |
※アコムの返済シミュレーションで計算/実際の利息とは異なる場合あり
計算上ではありますが、おまとめローンの利用により1,561円返済の負担が軽減されます。
このように1社から借り入れる金額が多くなると、金利が引き下がり返済の負担が軽減されるのです。
返済の管理が楽になる
おまとめローンの利用により返済の管理が楽になる場合があります。
それは一本化により返済するローンが1社になるからです。
たとえばあなたがA社・B社・C社から借りている場合、3社へ返済しないといけません。
3社で返済日が異なると、返済する手間が増えるでしょう。
しかし3社すべておまとめローンへ一本化すれば、その後の返済は1社のみです。
返済作業が楽になり、返済忘れによる遅延損害金のリスクも低くなります。
以上、銀行のおまとめローンを利用するメリットを紹介しました。
ただしおまとめローンにはメリットがある反面、デメリットもあります。
おまとめローンにはどのようなデメリットがあるのか、次から詳しく解説していきましょう。
銀行のおまとめローンを利用するデメリット
銀行のおまとめローンには以下のデメリットがあります。
- 追加で借り入れができなくなる可能性がある
- 返済総額が増える可能性がある
- 自社の借り入れはおまとめできない場合がある
- 審査に通過する必要がある
それぞれのデメリットについて解説していきます。
追加で借り入れができなくなる可能性がある
おまとめローンでは、追加での借り入れができない場合があります。
というのも返済専用に設定しているおまとめローンが多いからです。
一般的におまとめローンの使いみちは他社ローンなどの返済資金であり、生活資金や旅費などは借りられません。
またおまとめローンへ一本化する際、解約した他社ローンからの借り入れも不可能です。
返済中に追加での借り入れを想定している方は、銀行のおまとめローンは不向きとなるでしょう。
ただ一本化の対象から外した他社ローンから、追加で借り入れするといった方法は可能です。
ただし安易な借り入れを繰り返すと返済不能になるリスクが高まるため、事前に無理のない返済計画を立てましょう。
返済総額が増える可能性がある
おまとめローンへの一本化により、金利は引き下がっても返済総額が増える可能性があります。
それは返済期間が長くなり、最終的に支払する利息が増える場合があるからです。
消費者金融公式サイトより返済期間1年の条件で返済シミュレーションしたところ、以下の結果が出ました。
商品 | 借入額 | 金利 | 返済シミュレーションの結果 |
---|---|---|---|
アコム | 10万円 | 年18.0% | 返済総額:11万11円 |
アイフル | 10万円 | 年18.0% | 返済総額:10万9,200円 |
SMBCモビット | 10万円 | 年18.0% | 返済総額:11万11円 |
合計 | 借入総額:30万円 | 年18.0% | 返済総額:32万9,222円 |
返済期間2年の条件でおまとめローンへ一本化した場合のシミュレーション結果は以下のとおりです。
商品 | 借入額 | 金利 | 返済シミュレーションの結果 |
---|---|---|---|
西日本シティ銀行 NCB おまとめローン (無担保) |
30万円 | 年15.0% | 返済総額:34万9,104円 |
※ 返済シミュレーションの結果と実際の返済総額とは異なる場合があります。
金利が年18.0%から年15.0%に引き下がっても返済期間1年から2年に長くなると、2万円ほど返済総額が増えるシミュレーション結果となりました。
返済総額が増えると困るときは、一本化したおまとめローンで繰り上げ返済するといった対策が有効です。
繰り上げ返済について詳しくは以下をご覧ください。
返済総額を減らすなら繰り上げ返済
繰り上げ返済とは毎月の返済とは別に返済することを言います。
おまとめローンの残高が100万円だった場合、20万円繰り上げ返済すると残高80万円まで減らせます。
残高が減った分だけ完済が早くなり、利息の負担軽減につながるのが繰り上げ返済です。
ただしおまとめローンによっては繰り上げ返済手数料が発生します。
減った利息分より手数料のほうが上回るのでは、繰り上げ返済する意味は少なくなるでしょう。
今回おすすめした以下のおまとめローンなら繰り上げ返済の手数料は無料ですよ。
- 東京スター銀行おまとめローン
- 西日本シティ銀行NCB おまとめローン(無担保型)
自社の借り入れはおまとめできない場合がある
おまとめローンでは、基本的に自社の借り入れは対象外です。
東京スター銀行おまとめローン公式サイトには以下の記載があります。
当行無担保個人向けローンのお借り換えにはご利用になれません。
A銀行・B銀行からの借り入れを一本化したいときはC銀行など、異なる銀行のおまとめローンへ申し込みましょう。
審査に通過する必要がある
銀行のおまとめローンを利用するには、厳しい審査基準を満たす必要があります。
審査基準は非公開の銀行がほとんどですが、公開されている利用条件により最低限の審査通過の目安がわかります。
東京スター銀行のおまとめローンとカードローンの利用条件を比較しましょう。
商品 | 利用条件 |
---|---|
東京スター銀行おまとめローン |
|
東京スター銀行カードローン(スターカードローンa) |
|
東京スター銀行おまとめローンには年収200万円以上の正社員・契約社員・派遣社員という利用条件があり、パート・アルバイトは利用の対象外です。
東京スター銀行カードローンには年収○○○万円以上といった利用条件はなく、パート・アルバイトでも定期的な収入であれば審査通過の期待値が上がります。
なぜおまとめローンの審査は厳しいのか知りたい方は多いでしょう。
次からは銀行のおまとめローンの審査が厳しいと言われる理由について解説します。
銀行のおまとめローンの審査は厳しい
おまとめローンの審査は以下の理由により厳しいと言われています。
- すでに他社借入があるから
- 金利が低くなるほど高い返済能力を要求されるから
おまとめローンの利用を検討している方の場合、すでに他社借入があるでしょう。
複数社のローンを一本化するための商品とはいえ、他社借入が多すぎるとおまとめローンの審査が厳しくなる可能性があります。
他社借入が多すぎる方は現在の経済事情が苦しく、おまとめローンの審査時に返済能力が不足していると判断されるからです。
また金利の低いローンほど審査時に高い返済能力を要求される場合があります。
返済能力の低い顧客に融資すると、貸し倒れによる損失リスクが高まるからです。
無担保ローンの顧客が返済不能になった場合、担保から回収できず、ローン会社側に損失が発生します。
しかし金利の低いローンでは貸し倒れによる損失を抑えられる利息収入が少ないです。
そこで審査基準を厳しくし、返済不能リスクが一定以上ある顧客には融資しない場合があります。
銀行おまとめローンで審査通過の確率を上げる方法
銀行おまとめローンの審査を少しでも有利にしたいときは、以下の方法を参考にしてください。
- 借入先の返済期限を守る
- 追加の借り入れをしない
- 借入残高を減らしておく
それぞれの方法について詳しくは以下のとおりです。
借入先の返済期限を守る
現在の借入先での返済期限を守ると、おまとめローンの審査が有利になる可能性があります。
銀行によってはおまとめローンの審査時に他社・他行の返済状況も確認しているからです。
遅延のない優良な返済状況の方は、おまとめローン審査時に返済能力を高く評価してもらえる可能性があります。
逆に何度も返済を遅延するなど、借入先での返済状況が悪い方はおまとめローンの審査に悪影響が出るでしょう。
追加の借り入れをしない
現在の借入先で追加の借り入れをしないことで、おまとめローンの審査が有利になる可能性があります。
他社ローンで追加の借り入れをしない方は、返済不能になるリスクが低いとおまとめローンの審査時に判断されやすいからです。
おまとめローンの審査に悪影響が出る恐れがあるため、安易な追加での借り入れは止めましょう。
借入残高を減らしておく
複数社から借りている方は、借入残高を減らしておくのもおまとめローンの審査を有利にする一つの方法です。
A社30万円・B社20万円・C社10万円の借入残高がある場合、C社10万円のみでもかまいませんので、できる範囲で借入残高を減らすとよいでしょう。
借入件数が3件から2件に減ることで、おまとめローンの審査時に返済能力をアピールできる可能性もあります。
まとめ
今回は銀行のおまとめローンについて解説してきました。
おまとめローンの重要なポイントを以下にまとめてみましょう。
- 複数社の借り入れを一本化する返済専用の商品
- 使いみちは他社ローンの返済資金のみが一般的
- おまとめローンからの融資を元手にし、他社ローンの残高を完済
- 銀行や審査によっては他社ローンの解約や完済証明書が必要
- 銀行によっては他社ローンへの振込を代行
- 一本化後はおまとめローンへの返済に専念すること
- 繰り上げ返済すると早めに完済できる
おまとめローンは現在より返済負担を減らしたいとき、利息の支払を減らしたいときに便利です。
ただし金利の低いおまとめローンは審査が厳しい場合があります。
借入先の返済期限を守る・追加の借り入れをしない・借入残高を減らしておくといった方法を参考にしながら、おまとめローンの審査を受けるとよいでしょう。